BRC-20とは?ordinalsとトークンの仕組みを解説
BRC-20は、ordinalsを活用してビットコインで扱えるトークンを実現した規格です。
ordinalsを活用し、サトシというビットコインの最小単位に対してトークンの形式を書き込み、機能させます。
現在、BRC-20に対して注目が集まっているのはもちろん、ordinalsを活用したビットコインNFTに対しても注目が集まりつつ状態です。
この記事では、そんなBRC-20と土台となるordinalsの概要と仕組み、ERC-20との比較などについて解説しています。
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この記事のポイント
- BRC-20はビットコインのトークン規格
- 4億ドルを超える時価総額を持つ
- ordinalsを活用して発行する
- ordinalsではNFTなどの発行も可能
BRC-20とは?ビットコインの新たなトークン規格
BRC-20は、ビットコインで扱えるトークン規格のことです。
これまで、ビットコインにはBRC-20のようにトークンを発行するための汎用性の高い規格が存在していませんでした。
それが、BRC-20の登場によってトークンの発行が可能になりました。
ただし、BRC-20の開発者であるdomo氏は、実験的な運用に留まった規格であることを明言しており、あくまで試験的な段階です。
その一方で、5月時点でのBRC-20の時価総額は4億ドルを超えており、ビットコインのトランザクションを混雑が懸念されるなど、大きな反響を生んでいます。
BRC-20の土台となるordinals
BRC-20は、ordinalsというビットコインのサトシにデータをInscription(刻印・刻み込む)できるソリューションを活用して、開発されました。
これから、そんなBRC-20の土台となっているordinalsの基本的な仕組みについて、以下の観点から解説していきます。
- ordinalsの概要
- ordinalsがサトシにデータを添付する流れ
- インスクリプションの傾向
- 拡大するビットコイン・ordinalsのNFT
BRC-20を含め、NFTなどさまざまな観点から注目されているordinalsについてチェックしていきます。
ordinalsの概要
ordinalsは、ビットコインのサトシにデータを書き込み、それを独自のルールで追跡可能なプロトコルです。
サトシとは、ビットコインの最も小さい単位のことであり、1サトシは1億分の1BTCにあたります。
ordinalsを活用すると、サトシに対して画像、動画、テキストといったデータを添付可能になり、追跡可能になります。
ordinalsの用途は限定されていないものの、元々はビットコインのNFTを実装することが可能なプロトコルとして注目を集めていました。
ordinalsがサトシにデータを添付する流れ
ordinalsでは前述したとおり、サトシに対して書き込みを行ってデータを添付します。
その過程・プロセスを「インスクリプション(Inscription)」と言います。
そもそも、ビットコインにはトランザクションやブロックに対して、大容量のデータを書き込めるような領域を保有していませんでした。
しかし、ビットコインのSegwit・Taprootといったアップグレードの影響で、関連するデータの圧縮、データ容量の増幅、スケーラビリティの向上などが実現されました。
上記の影響によって、ordinalsでインスクリプションし、サトシにデータを添付することを可能になった背景があります。
インスクリプションの傾向
ordinalsの公式サイトや関連のエクスプローラーなどでは、実際にインスクリプションされた内容をリアルタイムでチェック可能です。
Duneを参考にすると、5月時点でこれまでインスクリプションされた1,000万件を超えており、その大半がテキストで占められています。
BRC-20はテキストでインスクリプションすることから、BRC-20の流行による影響が出ているものと見られます。
その次に人気のインスクリプション対象が画像であり、これはNFTなどの用途で用いられるものです。
拡大するビットコイン・ordinalsのNFT
インスクリプションの傾向のみでは、主にBRC-20を中心としたものになっています。
しかし、NFTでも普及の傾向や関連のソリューションの登場といった傾向が出てきています。
例えば、ordinalsをベースにしたNFTは、他のブロックチェーンを追い越し、イーサリアムに次いで第2位の取引量に位置するタイミングも見られました。
また、直近ではイーサリアムのNFTを、ビットコインに移行できる規格なども発表され、ordinalsのエコシステムが形成されつつあります。
BRC-20の仕組み
BRC-20ではordinalsのインスクリプションで、トークンの形式を書き込みます。
前述したとおり、ordinalsではデータをサトシに対して、何らかのデータをインスクリプションし、画像などのデータをビットコイン上で扱えるようにします。
BRC-20は、トークンとして機能するために必要な内容を決まった形式でインスクリプションさせ、トークンとして機能させる仕様です。
BRC-20の発行・転送されるといった内容は、ordinalsのインスクリプションを通じて、ビットコインのブロックチェーンに記録されています。
ERC-20との比較・違い
BRC-20・ERC-20ともに似た名前になっていますが、大きく異なるものです。
ERC-20は、イーサリアムにおけるトークン規格です。
そのため、イーサリアムが持つ主要な機能であるスマートコントラクトを活用できます。
一方で、BRC-20はスマートコントラクトを扱うことができず、ERC-20ほど複雑な用途に用いることは難しいです。
現時点で、BRC-20はあくまでordinalsを活用したトークン規格であり、その範囲を超えることはできません。
BRC-20についてまとめ
BRC-20はまだまだ実験段階の規格ですが、大きな注目を集めています。
一方で、ordinalsの利用用途は広まりつつあり、ビットコインのユーティリティの向上に寄与しています。
ビットコインのブロックチェーンが圧迫されるといった指摘も見られるため、発展とその影響には注視していきたいです。
画像・データ出典:brc-20.io、domo氏のgitbook、ordinals
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