イーサリアムのAccount Abstractionとは?概要と注目点を解説

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Account Abstractionとは、イーサリアムのコミュニティでもっとも注目されているトピックの1つです。
Account Abstractionによって、アカウント周りの運用や管理などにおける柔軟性が向上し、今後さまざまな周辺プロダクトの開発などが期待されています。
この記事では、そんなAccount Abstractionの概要から特徴、変更点について解説していきます。

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Account Abstractionとは?イーサリアムの次のトピック

引用元:Ethereum

Account Abstraction(アカウントの抽象化)は、イーサリアムにおけるスマートコントラクトウォレットを実装する一連の流れ・提案のことです。

Account Abstractionによって、イーサリアムの利用における柔軟性は、非常に向上します。

これから、Account Abstractionの概要とイーサリアムにおけるアカウントの現状について解説していきます。

EOAとCAの概要

Account Abstractionを理解するために、もっとも重要になるのが「EOA」と「CA」という2つのアカウンに関する理解です。

イーサリアムの利用者は、主にEOAというアカウントを利用して、イーサリアムのエコシステムを利用しています。(イーサリアム利用者が通常、ウォレットで利用しているもの)

EOAはシードフレーズ・秘密鍵のみによって制御され、トランザクションの起点となっています。

一方で、CA(コントラクトアカウント)は、秘密鍵などを持たずコードを書いていくことが可能です。

CAは非常に柔軟性が高いですが、秘密鍵を持たず、トランザクションの起点になることもできません。

Account Abstractionではこの課題を解決し、コントラクト自体をトランザクションの起点にすることが可能になります。

Account Abstractionが注目される背景と現状の問題点

Account Abstractionがここまで注目されている背景は、普及することによって利便性、ユーザーエクスペリエンスの向上が期待できるポイントです。

イーサリアムは、アカウント・秘密鍵・トランザクション周りが非常に不便です。(類似の問題は他のブロックチェーン、プラットフォームも抱えていますが)

実際に、イーサリアムのウォレットを利用したことがある方なら、以下のような問題点を感じているかもしれません。

  • 秘密鍵の管理
  • ガス代の利便性の低さ
  • ありとあらゆるアクションに細かく発生するトランザクション

上記は一例になりますが、Account Abstractionが実装され、広まることで上記のような課題を解決することができます。

また、上記のような課題が解決することで、イーサリアムの利便性が高まり、より多くの利用者がイーサリアムのエコシステムにアクセスできるようになるかもしれません。

Account Abstractionの特徴と変更点

これから、Account Abstractionの特徴と変更点などについて解説していきます。

Account Abstractionに関連するトピックは非常に多岐にわたっているので、主に注目されているポイントからチェックしていきましょう。

秘密鍵の柔軟な管理

Account Abstractionによって、キー(秘密鍵・シードフレーズ)の管理がより柔軟になります。

イーサリアムで送金や取引を行うには、秘密鍵・シードフレーズによってウォレットを管理・制御する必要があります。

ここに柔軟性はなく、もしも秘密鍵・シードフレーズが失われた場合は、そこにあったトークンを取り出すことは絶対にできません。

(逆に、秘密鍵さえ押さえていればアクセスできるため、詐欺などに合うとリスクが高い)

Account Abstractionによって、サブの何らかのキーなどを予め準備し、バックアップ体制をつくることが可能になります。

同じような要領で、大きな取引には複数のキーが必要な体制を組み込むことで、セキュリティを向上させるといった可能性も考えられます。

ガス代の柔軟性の向上

Account Abstractionによって、ガス代がより簡単に支払えるようになります。

イーサリアムで、トランザクションを通すにはガス代と言われる取引手数料を支払う必要があります。

このガス代の支払いに用いるのが「ETH」です。

他のブロックチェーンでも見られる仕様ですが、このポイントが不便であると感じたことがある方も少なくないでしょう。

というのも、ウォレットを利用する上で、常にETHを保有しておかないと、何もすることができません。(コントラクトへの承認、送金といったシンプルなトランザクションでさえ不可能)

Account Abstractionによって、コントラクト内で何らかのトークンをETHにスワップし、ETH建てて支払うことが可能になります。

つまり、ガス代の支払いにETH以外のトークンを用いることができるようになります。

トランザクションのバッチ処理

Account Abstractionでは、トランザクションのバッチ処理が可能になるポテンシャルを持ちます。

バッチ処理とは、いくつかの処理をまとめて1回で実行することを指します。

これも、利便性を向上させるポイントの1つです。

例えば、現在DEXでトークンを取引する際は、承認とスワップという2つのトランザクションを実行する必要があり、各処理ごとに時間・コストがかかります。

Account Abstractionでバッチ処理が可能になることにより、上記のような処理を1つのトランザクションにまとめて、時間・コストなどを軽減します。

Account Abstractionについてまとめ

この記事では、Account Abstractionについて解説しました。

イーサリアムは代表的な仮想通貨ではあるものの、まだ完成形ではなく、これからもさまざまな開発が進んでいます。

その中でも、Account Abstractionは特に重要なトピックの1つなので、今後周辺のプロダクトの開発・活用例などには注目していきたいと言えるでしょう。

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