仮想通貨TITANとは?特徴・仕組みや価格暴落の原因を徹底解説
仮想通貨TITANとは、DeFiプロジェクトIron Financeで使用されるステーブルコインです。TITANへの投資は「錬金術」と呼ばれるほど高利回りを実現しており、多くの投資家が注目していました。しかし、突如として価格は暴落。たった1日で42億分の1にまで下落し、TITANの実質的な価値がゼロとなりました。
「TITAN投資はどうして高利回りだったの?暴落した理由が知りたい。」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、仮想通貨TITANの特徴や将来性、価格暴落の原因を解説します。ステーブルコインの仕組みも紹介しており、仮想通貨投資で大きな損失を出したくない人に必見の内容です。ぜひ最後までお読みください。
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仮想通貨TITANとは?
仮想通貨TITANは、DeFiプロジェクト「Iron Finance(アイロンファイナンス)」の独自トークンです。Iron Financeは、PolygonやBNBチェーンが採用されているプロジェクトで、2021年にリリースされています。
名称 | IRON Titanium Token |
シンボル | TITAN |
価格(2022年12月時点) | ¥0.000003495 |
時価総額(2022年12月時点) | ¥122,130,283 |
時価総額ランキング(2022年12月時点) | 4000位 |
TITANは2022年6月に、たった1日で42億分の1に下落し、現在ではほとんど価値がついていない状態です。
かつてTITAN投資は「錬金術」と呼ばれ、かんたんに資産を増やすことが可能でした。TITANを保有していれば、USDCを安く仕入れられる仕組みがあり、投資家はどんどん資産を伸ばしていきました。しかしそのようなバブル的状況は続くことなく、一気に価格が崩壊し、現在の価格0.000003495にまで下がっています。(2022年12月現在)
仮想通貨TITANの特徴
仮想通貨TITANの特徴の特徴は以下のとおりです。
- 仮想通貨IRONを担保している
- アルゴリズム型ステーブルコインを裏付けている
- Polygonチェーン上で展開されている
それぞれ順番に確認していきます。
仮想通貨IRONを担保している
Iron FinanceはTITANの他に、独自のステーブルコインIRON(アイアン)を発行しています。このIRONはUSDCとTITANで担保されている仮想通貨です。
担保の割合は以下のとおりです。
- USDC:75%
- TITAN:25%
「0.75USDC」と「0.25TITAN」で「1IRON」が発行されていました。
アルゴリズム型ステーブルコインを裏付けている
前述のとおり、IRONはUSDCとTITANに裏付けられたコインです。
そのIRONは「アルゴリズム型」ステーブルコインと呼ばれます。市場の需要と供給のバランスをアルゴリズムによって把握し、発行量を自動的に調整して価格を安定させています。
そもそもステーブルコインには主に4種類あり、それぞれの特徴は以下のとおりです。
- アルゴリズム型(無担保型):アルゴリズムによって通貨の流通量を調整し、価格を安定させる
- 法定通貨連動型:法定通貨を担保にし、その価格に連動させる
- 仮想通貨担保型:特定の仮想通貨を担保にし、その価格を連動させる
- 商品担保型:金や原油を担保にし、その価格に連動させる
IRONはアルゴリズム型の中でも、担保のあるUSDCと、担保のないTITANを組み合わせたハイブリッドなコインとされています。
Polygonチェーン上で展開されている
IRONはPolygonチェーンで発行されています。そのため、IRONを構成するTITANも同じPolygonチェーンです。
なおIRONは、BNBチェーン上でも展開されています。それぞれの違いは、IRONを担保しているトークンです。
- Polygonチェーン:「USDCとTITAN」を担保にIRONを発行
- BNBチェーン:「BUSDとSTEEL」を担保にIRONを発行
今回紹介するIRONはPolygonチェーンのものなので、混同しないように注意してください。
仮想通貨TITANが暴落した原因や背景
結論からいうと「TITANの発行上限が設定されていなかった」ことが主な原因とされています。
仮想通貨TITANが暴落した原因や背景を以下の2点から詳しく解説していきます。
- 錬金術と呼ばれた仕組み
- 大口投資家の大規模な売り
錬金術と呼ばれた仕組み
ステーブルコインは基本的に暴落しない仮想通貨です。しかしTITANには、錬金術と呼ばれる暴落につながる仕組みがありました。
先ほども解説しましたが、IRONは「USDC75%、TITAN25%」で構成されています。つまり、1IRONを入手するには0.75USDCと0.25TITANが必要です。
TITANの入手方法は主に以下のとおりです。
- ①:TITANを取引所で購入する
- ②:IRONとUSDCを預けた利息としてTITANを受け取る
すると以下のような流れで、25%引きのUSDCを入手できるようになります。
- TITANを取引所で購入する
- 0.75USDCと0.25TITANで1IRONと交換する
- IRONとUSDCを預ける
- 利息としてTITANを無料で入手
- 1〜4を繰り返す
それぞれの通貨は紐付けられているため、常に1IRON=1USDCが成り立つ状態です。そのため、25%引きのUSDCをどんどん入手できるようになります。
つまり、法定通貨担保型ステーブルコインのUSDCをドルに換金すれば、25%の利益が発生する仕組みです。この手法は錬金術と呼ばれ、TITANの価格が高騰しました。
大口投資家の大規模な売り
周知のとおり、この錬金術は長くは続きませんでした。
1IRONが1ドル以上の価格であれば、Iron Financeは顧客へUSDCを償還できます。しかし、IRONが1ドル以下の価格となった場合、錬金術の仕組みは成り立たず、Iron FinanceのUSDCは徐々になくなり、償還できない事態に陥ります。
その仕組みにいち早く気づいた大口投資家は、TITANの売りに出ました。するとTITANの価格は下落。そして他の投資家も売りに走るという悪循環によって、TITANの価格が暴落していきます。
そもそも通貨は価格高騰を防ぐために、発行上限が設けられています。しかし今回のTITANには、発行上限が設定されていなかったため、錬金術の大きな原因になっていたと考えられます。
仮想通貨TITANの価格推移
仮想通貨TITANの価格推移を確認していきましょう。
以下は2021年6月からのチャートです。
当初は800円台まで価格を伸ばしていましたが、TITANの錬金術が破綻しすぐに暴落。価格は0.000005円台にまで下げています。
2021年は仮想通貨市場は大きく盛り上がっていました。しかし相場状況と反してTITANは暴落しています。
このように仮想通貨は、価格変動リスクが高く、1日で価値がゼロになる可能性も少なくありません。投資先のコインがバブルでないか、プロジェクトは信頼できるかなど、十分にリサーチして投資するようにしましょう。
仮想通貨TITANの将来性
結論からいうと仮想通貨TITANの未来には期待できないでしょう。
先ほどの見出しで確認したとおり、TITANの価格は「0.0000035」あたりを推移しています。
以下は2022年12月上旬のチャートです。
最高値から42億分の1に暴落したまま、回復の傾向が見られません。そのため、今後の見通しは極めてよくないといえます。
また、現在ではIron FinanceのHPにアクセスできないため、今後TITANに関する情報が発信される可能性は少ないといえるでしょう。
仮想通貨TITANのまとめ
今回は仮想通貨TITANの特徴や将来性、価格暴落の原因を解説しました。
本記事の要点は以下のとおりです。
- 仮想通貨TITANはDeFiプロジェクト「Iron Finance(アイロンファイナンス)」の独自トークン
- TITAN投資は錬金術と呼ばれる資金を増やす仕組みがあった
- 錬金術はバブルにつながり、崩壊後は42億分の1の価格にまで暴落
- 現在も価格は回復しておらず将来性はよくない
- 仮想通貨投資は価格変動の大きなリスクがあり、注意が必要
仮想通貨投資は価格変動が激しく、大きな利益を得られる可能性がある一方で、莫大な損失をこうむることも少なくありません。通貨の価値が実質ゼロになってしまうこともあるため、注意が必要です。
今回紹介したTITANのように、バブルじみた通貨はどこかで暴落することが予想されます。仮想通貨への投資は、大きなリスクが隣り合わせであることを十分に理解した上で、余剰資金で行いましょう。また、自分の投資する通貨がどのようなものか、理解してから投資するのがおすすめです。
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