仮想通貨の「クジラ」とは? アラートや取引への活用方法を解説
仮想通貨の大きな値動きがあると「クジラ」の動きに注目が集まります。クジラは市場の価格に影響を及ぼしますが、逆にその動きを知ることで取引のタイミングを判断することも可能です。クジラの情報を得られるアラートツールや取引への活用法を解説します。
- 想定年利10%以上の仮想通貨運用
- 各種手数料が無料
- 500円から仮想通貨を買える
- SBIグループの運営で安心感◎
仮想通貨のクジラとは
仮想通貨における「クジラ」とは、大口投資家のことを指します。特にビットコイン(BTC)の動向について用いられることが多い用語です。
仮想通貨だけでなく経済用語としても用いられ、株式市場では日本銀行や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などの公的金融機関がクジラとされています。
クジラの定義
保有量の明確な定義はありませんが、オンチェーンデータの分析を行うGlassnode(グラスノード)では「保有量1,000BTC以上」をクジラの基準としています。
また同サービスでは、投資家の保有量に応じて以下のように名付けています。
名称 | 保有量 |
エビ(Shrimps) | 1 BTC |
カニ(Crab) | 1-10 BTC |
タコ(Octopus) | 10-50 BTC |
魚(Fish) | 50-100 BTC |
イルカ(Dolphin) | 100-500 BTC |
サメ(Shark) | 500-1,000 BTC |
クジラ(Whale) | 1,000-5,000 BTC |
ザトウクジラ(Humpback) | >5,000 BTC |
クジラの正体
個人投資家で1,000BTC以上を保有するためには相当初期に参入していないと難しいため、クジラのほとんどが機関投資家であると推測されます。
機関投資家以外では、ビットコイン(BTC)の開発者であるサトシ・ナカモトが100万BTC以上を保有しているとされています。
クジラの動きを調べるアラートツール
クジラの動きを調べるツールとして、以下のサイトやSNSアカウントが挙げられます。
Glassnode(グラスノード)
Glassnodeはビットコインのオンチェーンデータを分析しているサイトです。クジラの数のほか、SOPRやS2F(Stock to Flow Ratio)など、テクニカル分析だけでは得られない市場全体の動きについて情報を提供しています。
Whale Alert(ホエール・アラート)
Whale Alertはオンチェーンを監視し、クジラに動きがあったときにツイートするTwitterアカウントです。ビットコイン(BTC)以外の通貨についても対象にしています。
WHALEMAP(ホエール・マップ)
WHALEMAPはクジラの動きをチェックしているサイトです。クジラがビットコインを購入しているタイミングや、購入量の大小を視覚的に表示しています。
クジラによる市場への影響
クジラが保有するビットコイン(BTC)を一度に売買することで、急落や急騰につながることがあります。
クジラによる売却で急落
2021年2月、ビットコインが1日で20%下落しました。
このときの下落はクジラによるものと推測され、ひとつのアドレスから2700BTCが売却されたことが急落の原因と見られています。
またこの下落を引き起こしたクジラは2020年にも大量にビットコインを売却しており、その際にはビットコイン(BTC)価格は60%下落しました。
クジラと個人投資家の動きは真逆
個人投資家の多くは下落しているタイミングで損切りを行ったり、さらなる下落を心配して購入を控えたりします。
しかしクジラは、安値のタイミングで購入を行うことが一般的です。
2023年1月頃、ビットコインは安値水準で停滞していました。このときクジラは5日間で20,000BTCを買い増ししています。
このツイートによると、クジラの動きは鈍いながら、クジラのビットコイン保有量は1月5日で約 20,000 BTC増加したとのこと。市場が冷え込んでいる時期に買い集めがされていることがわかります。
クジラの動きで買い時を予想する
以下のような局面でクジラが購入していると、買い時と判断する材料になります。
- 上昇中の下落
- 下落後の横ばい
それぞれ詳しく解説します。
上昇中の下落(押し目買い)
上昇トレンド中に下落したタイミングでクジラの買い集めがあれば、押し目買いをしていると推測できます。
押し目とは、上昇トレンド中にある場合一時的な下落のこと。上昇トレンドの中でも安値で購入できますが、そのまま下落してしまう可能性もあるため投資経験が浅いと売買を判断しにくいタイミングでもあります。
下落後の横ばい
下落後に価格が戻らず横ばいが続いている時にクジラが買い集めているようであれば、トレンドが反転する兆候と見ることができます。
以下の図は、クジラのアドレスへビットコインが流入しているタイミングと量を可視化したチャートです。
2022年11月から2023年1月の3ヶ月間、クジラのアドレスにビットコインが大量かつ継続して流入していることがわかります。
この時期はFTX破綻によりビットコイン価格が230万円付近まで急落した時期です。しかし市場の混乱に反発するようにクジラはビットコインを買い集めており、下落が一時的なものであり買い時と判断したものと推測できます。
またクジラによる大量の買いは市場全体の買い圧力となるため、それ以上の下落を防ぎ、自然と価格は上向きます。
結果、2023年3月に上昇に反転し、ビットコインは380万円まで回復しました(2023年3月30日現在)。
仮想通貨のクジラのまとめ
仮想通貨におけるクジラについて解説しました。
- クジラとは1,000BTC以上を保有する大口投資家
- クジラの動きを監視するツールがある
- クジラの動きは買い時の判断材料になる
クジラの動きは値動きを判断する指標になり得ます。特に中長期的なビットコイン 投資を行っている時は、クジラの動きを注視しましょう。
- 想定年利10%以上の仮想通貨運用
- 各種手数料が無料
- 500円から仮想通貨を買える
- SBIグループの運営で安心感◎