zkSyncとは？特徴と将来性・今後を分かりやすく解説

zkSyncは、ゼロ知識証明を活用したZKロールアップの1種です。
ロールアップはイーサリアムの処理性能・拡張性・利便性を向上させることが可能で、ロールアップの中でもzkSyncはさまざまなメリットが見られるZKという仕組みを活用しています。
イーサリアムの今後のエコシステムを支えていくと見られるzkSyncについて、この記事では概要から特徴、今後の将来性などについて解説しています。

zksyncとは？ZKRUのL2ブロックチェーン

zkSync(Era)は、Matter Labsが開発するEVM互換のZKロールアップで、zkEVM技術を活用しているソリューションの1つです。

zksyncはzkロールアップでありながら、EVMを互換性を実現した数少ないロールアップの1つであり、すでに構築されているさまざまなイーサリアムのアプリを移転しやすい環境を実現しています。

現在、一般的にzkSyncと呼称されているのは、zkSync Eraのことであり、これはEVM互換を実現した新しいバージョンのzkSyncのことです。

一方、支払いなどに特化しており、EVM互換を実装していなかった過去のバージョンをzkSync 1.0と言い、zkSync Eraと若干意味合いの違いがあるため、注意が必要でしょう。

zkSync Eraは、これまでのzkSync 1.0の成果を受け継ぎながら、引き続きイーサリアムのスケーリング問題の解決を目指して開発が進められています。

zksyncの特徴

これから、zkSyncの特徴について3つの観点から解説していきます。

zkSyncの特別なポイントについてチェックしていきましょう。

ガス代が安く処理速度が早い

zkSyncは、前提としてロールアップ(RU)のため、イーサリアムよりも処理速度が早く、ガス代(取引手数料)も低いです。

ロールアップとは、イーサリアムのような基盤となるブロックチェーンを元に運用されるブロックチェーンのことであり、イーサリアムのセキュリティや安定性といった恩恵を受けながら、利便性の高い環境を提供する技術のことです。

また、ブロックチェーンが層になってレイヤーを構成することから、基盤となるブロックチェーンをL1(レイヤー1)、ロールアップのような上に乗っているブロックチェーンをL2と呼称することもあります。

利用には少々手順とガス代が必要なものの、zkSyncを利用することで高い利便性を保ったまま、イーサリアムのセキュリティを受けることが可能です。

OPRUと比較してさまざまなメリットが見られる

zkSyncが利用している技術であるZK(ゼロ知識証明)ロールアップは、OPロールアップと比較してさまざまなメリットが見られます。

OPロールアップは、Arbitrumなどが利用している現在もっともシェアを持っているイーサリアムのロールアップになっていますが、撤退期間(出金までの時間)が数日必要だったりと、いくつかのデメリットが見られます。

(ZKの場合は状況によって異なるものの、OPロールアップよりも非常に早い)

これは、ZK・OPロールアップ間で採用しているトランザクションの処理方法の違いによって発生するものであり、一定の用途においては撤退期間・ガス代・処理時間の観点などから、ZKロールアップの方が優位です。

そんなZKロールアップを利用しているzkSyncも、他のZKロールアップを採用するソリューションと同じメリットを持っています。

ZKRUでありながらEVMとの互換性を持つ

前述したようにZKロールアップは使用感において、OPロールアップに優位性を持ちながら、シェアを獲得することができませんでした。

その背景に、EVMの互換性があります。

ZKロールアップは、ロールアップ上で複雑な計算を行い、その技術的な背景からEVMとの互換性をもたせることが難しい側面がありました。

このことから、イーサリアムのL2でありながらEVM互換性をもたせることができなかったのです。(現在ではいくつかのソリューションにおいてEVM互換性が実現)

そんな中で、前述したようにzkSync(Era以降)はEVMを実現した数少ないロールアップの1つであり、zkロールアップの中では代表的な存在の1つであったことなどから、今後OPロールアップ同様にシェアを獲得するのでは？と期待されています。

zksyncの今後・注目ポイント

zkSyncには、今後いくつかの注目ポイントがあります。

その中の1つが、数あるロールアップの中からシェアを獲得できるか？という点でしょう。

現在、イーサリアムの処理性能やキャパシティを拡張するソリューションはいくつか存在している環境です。

具体的には、すでにシェアを獲得しているOPロールアップ系のソリューションはもちろん、同じようにEVM互換性を実現させた or 開発中のソリューションはZKロールアップにいくつか存在しています。

また、セキュリティ的な観点からロールアップほど高くないものの、ロールアップと同じような効果を期待でき、シェアを持っているサイドチェーンもいくつも存在しています。

「イーサリアムを早く・安く」というテーマを掲げたプロジェクトがいくつもある中で、zkSyncがどのようなポジションに至るのか？シェアを獲得していくのか？というのは、注視したいポイントであると言えるでしょう。

zksyncについてまとめ

この記事では、zkSyncについて解説しました。

zkSyncは、イーサリアムの拡張性・利便性を大きく左右するロールアップの1種であり、その中でも注目度の高いZKを採用したロールアップの代表格です。

これからも、さまざまな観点から注目していきたいと言えるでしょう。