ポケモンGOが目指すARメタバースとは?特徴や今後の見通し・将来性を徹底解説
メタバースはインターネット上に構築された3次元の仮想空間です。将来的にメタバースが世界の市場や経済をひっくり返すほどのインパクトをもたらすと予想されています。
近年では、多くのインターネットメディアで取り上げられており、メタバースの認知度が高まっています。メディアの多くは新たなビジネスのチャンスやイノベーションにつながることを主張し、メタバースに肯定的です。
しかし、メタバースに否定的な声が挙げられることもあります。否定派として有名なのがポケモンGOです。ポケモンGO開発企業Niantic(ナイアンティック)のCEOは、現在取り上げられているメタバース像は仮想世界に閉じこもるようなイメージが強いと異を唱えています。
読者の中には「メディアでよく見るメタバースって楽しそうだけどそれじゃダメなの?そもそもメタバースって何?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、ポケモンGOがメタバースに否定的な理由と目指しているメタバース像について詳しく解説します。
すでにメタバースを知っている方でも、改めてメタバースについて深く考えるいい機会になるはずです。もちろん、メタバースを知らない方でも問題なく読み進められます。ぜひ最後までお読みください。
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そもそもメタバースとは?
まずはメタバースがどんなものか確認しておきましょう。
以下の2点からざっくりと解説していきます。
- メタバースの概要
- メタバースでできること
メタバースの概要
メタバースとは、インターネット上に構成される3次元の仮想空間です。自分の分身であるアバターを使用し、メタバース内で交流したりイベントに参加したりできます。
限りなく現実世界に近い状態で活動できるところがメタバースのポイントです。現実世界と同じ時間軸で、社会活動を送れるようになります。
「あつまれどうぶつの森」や「フォートナイト」「Minecraft」などをイメージするとよいでしょう。
近年では実際に経済活動を行い、メタバース内でお金を稼ぐことも可能なサービスも誕生しています。
メタバースでできること
メタバースでは主に以下のことができるようになります。
- ユーザー同士の交流
- イベントの開催・参加
- バーチャルオフィスでの会議・共同作業
- ゲームの作成
- 不動産売買
- NFTアイテムの売買
利用用途は幅広く用意されているため、メタバース上でクリエイティブに活動することが可能です。オンライン上でのコミュニケーションが円滑に進み、従来では味わえない体験が期待できます。
ポケモンGOがメタバースを否定的に考える理由や背景
ポケモンGOを開発するNianticは、現在注目を集めているメタバースには否定的な態度をとっています。その理由は「メタバースは人間を完全に仮想世界に閉じ込めるディストピア」と考えているからです。
注目を集めるVRゴーグルを使ったメタバースは、仮想世界に閉じこもるようなもの。現実世界とのつながりや人間らしさが損なわれると考えています。
ポケモンGO(Niantic社)のミッション
Nianticは「Inspire people to explore the world,together」(人々が世界を冒険するための手助けをする)というミッションを掲げています。エンターテインメントの提供だけでなく、プレイヤーが家の外に出てもらうことが活動の目的です。
そのため、これまで手掛けたゲームタイトルのいずれも、スマートフォンの位置データを活用しています。人々が家に閉じこもらず、外に出るようになれば、世界がよりよくなると考えています。
ゲームはそのためのきっかけに過ぎません。これはメタバースにも当てはまります。VRを使って仮想世界に閉じこもるのではなく、メタバースをきっかけに外に出て、より豊かな生活を送ることを重要視しています。
ポケモンGO(Niantic社)の目指すメタバース像
ポケモンGOが目指すメタバースはずばり「ARメタバース」です。
ARメタバースとは、AR技術を活用した現実世界がベースのメタバースです。ARは「Augmented Reality」の略称で、日本語では「拡張現実」と呼ばれます。いわゆるポケモンGOのようなイメージですね。
一方で、現在注目されているメタバースはVRメタバースと呼ばれます。
- ARメタバース:AR技術を活用。現実世界をベースにしたメタバース
- VRメタバース:VR技術によって再現された仮想世界をベースにしたメタバース
VRメタバースはインターネット上にいくつもの仮想空間が存在します。それに対しARメタバースは現実世界がベースのため、メタバースは一つだけしか存在しません。そのため、家族や友人など社会的なつながりを維持したまま、より豊かな生活を体現できるといえます。
ポケモンGOの目指すARメタバースの特徴
ポケモンGOの目指すメタバースには以下の特徴があります。
- ARメタバースである
- 現実世界をより豊かにできる
- ARグラスを導入する予定
それぞれ順番に見ていきましょう。
ARメタバースである
前述のとおり、ポケモンGOはVRではなくAR技術をつかったメタバースを目指しています。
現実世界がベースとなっているため、身近な人とのつながりが希薄になることはありません。また、広告やアイテムの売買などのビジネス的要素も導入されれば、幅広い利用者の獲得につながるはずです。
現実世界をより豊かにできる
ARメタバースでは、現実世界を軸にしているため、メタバースの中でも人間らしい価値を体現できます。
ポケモンGOの目指すメタバースは、周囲の人や世界とのつながりを重視し、現実をより豊かにするものです。ARメタバースによって人々の生活の幅が広がり、快適な暮らしを体験できるようになるでしょう。
ARグラスを導入する予定
ARメタバースの体験価値を高めるために、ARグラスを導入する予定となっています。
ヘッドセットをつけるのが一般的なVRとは異なり、ARグラスであれば気軽にプレイ可能です。また、端末の価格も抑えられるため、メタバースの普及に一翼を担うでしょう。
ポケモンGOのARメタバースの将来性
ここまでポケモンGOの目指すARメタバースについて解説しましたが、将来性はあるのか疑問を持つ方も多いはずです。
結論からいうと、ARメタバースの市場は将来的に拡大することが予想されます。その根拠や理由は以下のとおりです。
- メタバース全体の市場が拡大する
- ARグラスはライトユーザーを獲得できる
- ARグラスを開発する企業が多い
上記3点について順番に解説していきます。
メタバース全体の市場が拡大する
VR、ARを含めたメタバース全体の市場は拡大していくと予想されます。
理由は主に以下のとおりです。
- メタバースに参入する企業が増加傾向にあるから
- メタバース市場が拡大する分析レポートが出ているから
近年では、メタバースを含めたWeb3関連の市場が盛り上がっています。Metaなどの大手企業が参入していることからも、市場の拡大が期待できますね。
メタバース市場全体が拡大すれば、自然とARメタバースやARグラスなどの領域も広がっていくでしょう。
なお、以下のような記事を読めば、今後市場について理解を深めることが可能です。ぜひ参考にしてみてください。
- 米国のNFT・メタバース関連の商標登録申請数が急増、前年比2.7倍(出典:CoinPost)
- 金融分野のメタバース市場、今後5年で6.7兆円規模に=レポート(出典:CoinPost)
- ドバイのメタバース戦略「5年後には5,000億円以上の市場規模まで成長」(出典:CoinPost)
ARグラスはライトユーザーを獲得できる
メタバースが世間一般に浸透していくには、ライトユーザーが重要であるとされています。そのライトユーザー獲得にはARメタバースが効果的です。
そもそも現時点でのメタバースは、一部のゲーマーやデジタル感度の高いユーザーが利用しているに過ぎません。
また以下のような課題もあります。
- VRヘッドセットが重くて疲れる
- わざわざヘッドセットをつけるのが面倒
- 使い方がよくわからない
- 端末の価格が高い
現状のメタバースは、一部のユーザーのみが利用できるような難易度の高いものとなっています。しかし多くの企業は、将来的にメタバースが一般層にも普及し、現代のSNSのようにだれもが利用することを期待しているはずです。
上記の課題を解決するものとしてARグラスに注目が集まっています。
ARグラスは、VRデバイスと比べて手軽に利用可能です。最近ではデザインにこだわったARグラスも販売されており、ライトユーザーがメタバースの魅力を感じやすいようになっています。
一般のユーザーがスキマ時間に利用できるようになれば、自然とメタバースの市場が盛り上がっていくでしょう。
「ARメタバースでライト層を獲得し、その後深い仮想空間をVRメタバースで体験する。」このような導線の役割として、ARグラスは重要な役割を担っています。
ARグラスを開発する企業が多い
ARグラスの開発に乗り出している企業が多いことも、市場拡大が予想される理由の1つです。
例えば以下のような企業が挙げられます。
- Apple(アメリカ)
- Meta(アメリカ)
- Google(アメリカ)
- Samsung Electronics(韓国)
- Nreal(中国)
Web2時代の勝者ともいわれるGAFAなど、名だたる企業が参入しています。実績のある企業がメタバース市場に参入しているため、市場も大きく成長することが予想されるでしょう。
Nrealは中国の企業で「ARグラスの2022年上半期の出荷台数において約8割を占める」最大手です。消費者向けのARグラスでは最前線を走っており、日本でも「Nreal Air」が販売されています。
今後もARグラスの開発競争が進み、次第にメタバースの市場が拡大していくでしょう。
おすすめのメタバースサービス3選
続いて、メタバースの体験におすすめのサービスを3選紹介します。
- The Sandbox(ザ・サンドボックス)
- Decentraland(ディセントラランド)
- Cluster(クラスター)
それぞれ順番に確認していきましょう。
1.The Sandbox(ザ・サンドボックス)
The Sandboxは、メタバース空間で楽しめるオープンワールドのブロックチェーンゲームです。
マインクラフトのようなイメージのゲームで、アバターやゲームの作成をしたり、所有する土地(LAND)を貸し出したりと遊び方はさまざまです。
ゲーム内通貨SANDを使用することで、誰もが自由にビジネスを確立できます。
- LANDを貸し出して不動産収入を得る
- LANDやNFTアイテムを売買する
- ゲームを自作しプレイ料金を設定する
上記のように発想次第で自由に稼ぐことが可能です。
なお、The Sandboxで使われる仮想通貨SANDはコインチェックで取引できるので、ぜひチェックしてみましょう。
2.Decentraland(ディセントラランド)
DecentralandはThe Sandboxと同様に、メタバース構想のブロックチェーンゲームです。仮想空間内で展開されるゲームのプレイしたり、購入した土地(LAND)の上に自分のコンテンツを作り上げたりできます。
独自トークン(MANA)を使って自由にビジネスを展開することも可能です。
The Sandboxとの違いは主に世界観です。
- Decentraland:ポリゴンチックな3Dモデル
- The Sandbox:ピクセルチックな3Dモデル
それぞれ世界観が違うものの、メタバース内でできることに大きな違いはありません。しかし現状では、MANAトークンは国内取引所での取り扱いがないため注意が必要です。
3.Cluster(クラスター)
Clusterは、無料プレイが可能な日本のメタバースプラットフォームです。スマホ・PCの両方に対応しているため、誰でもかんたんに利用できます。
メタバース空間では自身のアバターを設定し、ユーザー同士の交流やイベントに参加するなど幅広い楽しみ方が用意されています。
無料で手軽に始められるので、メタバース初心者の方にはおすすめのプラットフォームです。
ポケモンGOが目指すARメタバースのまとめ
今回は、ポケモンGOがメタバースに否定的な理由と、ポケモンGOの目指すARメタバースについて詳しく解説しました。
本記事の要点は以下のとおりです。
- ポケモンGOの開発企業は「VRメタバースはディストピア的」と主張
- ARメタバースならより現実世界を豊かにできる
- メタバース市場は拡大していく見通し
- メタバース浸透の鍵はライトユーザー
各メディアで取り上げられる機会も増え、メタバースの認知度が高まっています。
メタバースではエンタメやビジネスなどの体験の幅が広がり、利用するメリットも多いです。一方で現時点では課題も多く、メタバースの一般層への普及には時間がかかるという見方もあります。
とはいえ、さまざまな企業が参入するメタバースの市場は拡大していくと予想されます。そのため、今回の記事を参考にメタバースに関する知識を深めておくとよいでしょう。
また世界的に人気のポケモンGOが目指すARメタバースは、メタバース市場に大きな影響を与える可能性があるので、今後もチェックしておくのがおすすめです。
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