【仮想通貨】AMMとは?仕組み・特徴・稼ぎ方を徹底解説
近年では、DEX(分散型取引所)で取引する方が増加しています。
しかし、DEXを利用している方で「AMMという言葉を聞くけど何のことか分からない」と思われている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、DEXの基盤であるAMMの概要からメリット・デメリットについて解説します。
この記事を読むと、AMMについて理解し、取引する上での判断基準を身に付けられるでしょう。
それでは解説します!
AMMとは?
AMMとは「自動市場メーカー」の略で、仮想通貨の買い売りを自動的に行うプログラムのことです。
たとえば、仮想通貨のAとBを交換したいと思っている人がいたとしましょう。
この人は、AMMにAを投げ入れ、Bを受け取ることができます。AMMは、AをBに自動的に交換してくれるので、手動で交換する必要がありません。
AMMは、仮想通貨を自動的に交換するだけでなく、自動的に市場の価格を調整することもできます。
これは、仮想通貨の価格が上がったり下がったりする時に、AMMが自動的に調整してくれるので、取引がスムーズに行えるからです。
また、AMMはDEXと同じだと思われることが多いですが、この2つは全くの別物です。
DEXは分散型取引所全体を示していますが、AMMはDEXが自由意志で取り入れているプロトコルの一つです。
AMMのメリット
では、AMMのメリットを3つの観点から解説します。
イールドファーミングが可能
イールドファーミングとはDEX(分散型取引所)やレンディングといった、DeFiサービスで仮想通貨を貸し出したり、提供したりすることで報酬を得ることです。
AMMでは流動性供給者は適切な比率の仮想通貨を流動性プールに貸し出し、入金確認されればAMMプロトコルからLPトークンを報酬として受け取れます。
この機能を利用し収益を増加させることができますが、流動性プールから資金を出すためにはLPトークンを返納しなければなりません。
そのため、LPトークンをステークしたい場合は、ステークした以上のLPトークンを得る必要がありますので注意しましょう。
価格の決定や約定がスムーズ
AMMでは流動性プール内で自動計算される仕組みのため、価格決定が非常にスムーズです。
今までの取引所の基盤は買い手と売り手が資産に対して違う取引価格を示し、他の利用者が承認した際に取引成立となり、市場価格が設定されていました。
しかし、AMMが取り入れられているDEXでは、特定の資産間での数学的関係が決められているので、価格設定に時間がかかりません。
流動性プールに資産を入れ、交換したい通貨を受け取るだけのため、約定も時間もかからずスムーズな取引が可能です。
手数料が得られる
利用者が資産をプールに入れ、他の利用者が資金を使用し取引を行えるため流動性を供給している報酬としてプールで取引される際に発生した手数料の一部を得ることができます。
たとえば、流動性供給者がプールに入れた資産がロックされた流動性プールの1%程度なら、プールでかかった取引手数料の中から1%に当たるLPトークンがもらえます。
もし供給者がプールから退きたい際は、LPトークンを返納して手数料を共有してもらうことが可能です。
AMMのデメリット
魅力的なメリットがあるとわかりつつ、デメリットがないか不安になりますよね。
このように不安な人に向けて、3つのデメリットを紹介します。
自分が許容できるリスクかどうか考えながら読み進めてください
取引が保証されていない
DEXでAMMを取り入れている取引所は、金融庁から認められていなく許可を受けていないため、安全性は保証されていません。
管理者などの第三者を間に挟まないということは、もし自分のウォレットがハッキングされたり、秘密鍵を無くしてしまったりした際に助けてくれる人がいなく全て自分で対処しなければなりません。
プールにより流動性が違う
AMMを取り入れているDEXでは、供給されているプールにより流動性が変わってきます。
流動性が高くスムーズに取引を行えるのがAMMの魅力でもあるため、取引を行う前にプールの流動性を確認しましょう。
インパーマネントロスが発生する
インパーマネントロスとは、価格が変動することで発生する損失のことです。
福利収入を得る時に発生する損失で、変動損失とも呼ばれます。
簡単に説明すると取引所に入れたLPトークンの価値が、自分で保有するよりも低くなってしまうことであり、AMMではこのインパーマネントロスが発生してしまいます。
AMMでの稼ぎ方
AMMで稼ぐための最も一般的な方法の1つである「スワップ」について説明します。
スワップとは自分が所有している仮想通貨を他の人が所有している仮想通貨に交換することです。
たとえば、AがBTCを持っていて、BがETHを持っている場合、AがBTCを渡し、BがETHを渡すことで、お互いが所有する仮想通貨を交換することができます。
そのスワップを利用することで「スプレッド収益」と「リスクヘッジ」という稼ぐ方法があります。
スプレッド収益
AMMのスワップレートに差異が生じることを利用して、収益を得る方法です。
たとえば、AがETHを持っていて、AMMのスワップレートではETHをBTCに換える際に1ETH=0.1BTCとなっている場合、他のスワッププラットフォームでは1ETH=0.09BTCとなっている場合、その差異を利用して収益を得ることができます。
リスクヘッジ
仮想通貨の価格の変動に対して、リスクを軽減するために、AMMを使用します。
たとえば、AがBTCを大量に持っている場合、BTCの価格が下落する可能性があるため、そのリスクを軽減したいと考えています。
こういった場合にAMMを使用して、BTCを他の仮想通貨にスワップし、その仮想通貨の価格が上昇する可能性が高いと判断した通貨に交換することでリスクを分散させれます。
AMMのよくある質問
AMMについて、よくある質問を2つ紹介します。
Q1.AMMを取り入れているDEXのおすすめは?
AMMを取り入れているDEXで取引をすることは、幅広い通貨をスワップすることができたり、スワップ取引に関する費用が少ないなどのメリットがあります。
また、中央集権性がないため、取引データが改ざんされる可能性が低いのも魅力です。
ただし、AMMを取り入れているDEXは、スマートコントラクトのバグやハッキングなどのリスクがあるため、取引をする前に十分にリスクを理解し取引することが重要です。
Q1.AMMを取り入れているDEXのリスクは?
A.デメリットでも解説しましたが、AMMではインパーマネントロスが発生してしまいます。
そのため、DEX使用時には価格の減少はもちろん、流動性プールに入れた資産の状況についても確認することが大切です。
取引が保証されておらず、すべて自己責任なこともリスクといえるでしょう。
DEXでは、アルトコインを上場させることが目的で詐欺コインが上場することもあるため、そのようなコインを購入してしまい大暴落に巻き込まれてしまう可能性があります。
AMMのまとめ
AMMでは取引がスムーズに行えたり、イールドファーミングができたりといったメリットがある反面、保証がなかったりインパーマネントロスが発生するといったデメリットもあります。
メリット・デメリットを考慮し、自分が納得できる取引方法を見つけましょう。